平成30年(2018年)に公布された今回の相続法の改正は、昭和55年(1980年)の改正以来、約40年振りの大改正です。
概要を簡潔に解説したパンフレットは、法務省のHPに掲載されています。
(上の絵は、そのパンフレットの表紙です。)
その中で本年4月1日に施行されたのが、「配偶者居住権」です。
配偶者居住権を簡単にご説明すると、相続が開始したときに被相続人所有の建物に配偶者が居住していた場合には、終身又は一定期間、その建物に無償で居住することができる権利の事です。
また配偶者がこの権利を取得するには、①遺産分割における一つの選択肢として取得するか、②被相続人の遺言等によって取得させる、2通りの方法があります。
不動産が遺産の主な部分を占めるような場合に、配偶者が居住建物を相続したとき、現金等他の財産を相続できないことが従来にはありました。
というのも、配偶者の法定相続分は2分の1なので、遺産に占める居住建物の割合が2分の1であれば居住建物だけで法定相続分に達し、また割合がそれ以上であればその他の相続人と居住建物を共有する必要も生じかねないためです。
配偶者居住権を利用すれば、このような事態に対応できます。
3/31には、「自筆証書遺言保管制度」についても、法務省のHPに掲載されました。
該当ページへのリンクが、次のURLです。
自筆証書遺言を法務局で保管してくれる制度ですが、本年7月1日から施行されます。
これまで自筆証書遺言は、遺言者自らが保管する必要がありました。
このため、遺言書が紛失、亡失する恐れがありました。また、相続人による遺言書の廃棄、隠匿、改ざんが行われる恐れもありました。
しかし法務局での保管制度が開始されれば、そのような不安もなくなり、自筆証書遺言の存在の把握も容易になります。
保管の申請料は、1件に付き¥3,900です。
その他の詳細は、法務省HPをご参照ください。
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